筑波大学菅平高原実験センターは、冷涼な高原地帯の生物や地理を研究する目的で、昭和9年(1934年)に発足しました。満州に気候が似ているので、野菜を栽培する実験などを目的に始まったそうですが、次第に生物系の実験場、教育施設として利用されるようになりました。
昭和48年に筑波大学菅平高原実験センターとなり、現在、生物科学、地球科学、農学などの自然環境に関連する教育・研究の場となっています。
昭和48年に筑波大学菅平高原実験センターとなり、現在、生物科学、地球科学、農学などの自然環境に関連する教育・研究の場となっています。
今回見学した樹木園は菅平の寒冷な気候で生育できる、約200種の樹木があります。当日案内していただいた植物は40種以上に上りますが、すべてを掲載することはできないので、印象に残ったものだけ載せます。
※写真は筑波大学の職員の案内のもと、撮影しております。
樹木園では、30年前、菅平の極相林(植物が遷移して最終段階した森)であるブナの木を碁盤の目のように1m,3m,5m,7m,9mという一定の間隔で植えました。間に白樺などの落葉樹を植え、間隔が違うごとにどのように植物が変遷していくか、観察をしているそうです。
入口近くのブナ林です。木々も成長して森全体がかなりうっそうとしています。
ここでは3mおきにブナが植わっていますが、ブナの葉っぱは養分があまりないのとブナが成長してしたため、白樺など他の木が元気がないということです。
入口近くのブナ林です。木々も成長して森全体がかなりうっそうとしています。
ここでは3mおきにブナが植わっていますが、ブナの葉っぱは養分があまりないのとブナが成長してしたため、白樺など他の木が元気がないということです。
リギダマツのまつぼっくりです。北米の松。かなりイガイガして痛かったです。
胸高の黄色い印です。印があるところの直径を計り、木の成長を記録していきます。また、木々には番号札もついています。国の施設なので木々も備品扱いなのだそうです。
クロビイタヤ。日本でも極めて寒冷な地域にしか生息していない。絶滅危惧種ですが植物園ではあちこちに植わっていました。
木の株に黄色い菌類が生えていました。
ウリの皮に似ているというのでウリハダカエデと名付けられています。模様が面白いです。
ゴマギ。手で触って匂いを嗅ぐとゴマの香りがします。
ヤマハンノキにアカゲラが穴を開けた跡がありました。アカゲラが使用後は、スズメバチが巣に使ったそうです。
ハイイヌガヤ。繁殖力が旺盛で回りにたくさん生えていました。緑色の大きな実もついています。
チョウセンゴミシ。実が果実酒になります。5つの味がするのでこの名が付いたそう。
今回は特別に、通常非公開となっている、センターの中の草原も見せていただきました。毎年、刈り取りをすることで維持している半自然草原で、樹木なども生えてきて、その変遷を観察しているそうです。
花粉症の大敵!オオブタクサの花粉が散った後の姿です。
左側がヤマハマナス。根子岳に行くと自生しているものが見られるとのこと。だいぶん大きな株で、周りに芽もたくさん出ていました。
右側がハマナス。ヤマハマナスとぴったりくっついて植えられていました。
このように似た種類の植物がお互いの近くに植わっているので、違いが観察できて興味深いです。
このように似た種類の植物がお互いの近くに植わっているので、違いが観察できて興味深いです。
菅平高原実験センターでは定期的に自然観察会などを開いていて、私たちが訪れた日も開催されていました。その時に使ったもので、動物によりくるみの食べ方の違いがわかります。割れている方がリス、かじってある方がネズミが食べたものです。
地図はこちらです
#
by umic21
| 2016-09-24 15:09